今年もおみくじは吉だけど
yo-yo

ひつじがいっぴき
ひつじがにひき
ゆったんという名の
ひつじの湯たんぽを抱いて寝る
そのひつじを見失ってしまえば夢の国
いつしか踏み迷ってしまう
いつもの道がある

川原のようであり
崖のようであり
谷間のようでもある
歩いても歩いても
どこへも辿りつけない道
夢の中で
私は置き去りにされる

夢の外にも
いつもの道がある
図書館の坂道を上り
駅を通りぬけ
貯水池と公園を一周して
家に帰る
この道はいつも
どこかに辿りつく

夢の中で
夢の外で
ふたつの道は交わらない
ふたりの私は出会わない
ときどき呼びかけたくなる
夢の中へ
夢の外へ
置き去りにされたものへ
置き去りにしたものへ

いつかのどこか
ふたつの道が交差するところ
真昼の空の深いところ
私の知らない
道がある





自由詩 今年もおみくじは吉だけど Copyright yo-yo 2015-01-08 07:26:16
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