船旅のアゲハ
たもつ


マンホールの蓋を開けると
ハローページは既にそこまで
ぎっしりと積み上がっていて
でかくて、飲み込めね、でかくて、飲み込めね
ごきゅごきゅ喉をいわせ
頑張っている船長の隣で
僕はタウンページのイエローを
レッドに塗りつぶしながら
それが何の抵抗になるのか知らない
鮫の形をした猫は
背びれをなくしたのが悲しくて
悲しくて
とっても悲しくって
オイオイ泣きっぱなし
昨晩風の音が恐かった僕は
アゲハを天ぷらにしてしまった
良い航海を
ある晴れた朝港のジェニーは見送ってくれたが
やはり飛行機がいい僕らは
リムジンバスに乗って空港へと行く



自由詩 船旅のアゲハ Copyright たもつ 2005-02-03 16:38:56
notebook Home 戻る