芥子色の北風が吹いて③
信天翁

      たけだけしい北極圏で
 つむじかぜばかり描きたてている
        鼻息の荒い牧童よ
  どうしてそんなに意固地なんだ

       青い春のおもかげが
白い秋の顔立ちに変貌してしまった
       おいぼれそっくりに

     だが おひとりさまには
    あわい慰めがのこっていた
      ゆきぐもをはねのけて
   ひからびた視野をカットする
  箒星になった子すずめの乱舞で


自由詩 芥子色の北風が吹いて③ Copyright 信天翁 2014-12-30 15:48:15
notebook Home 戻る  過去 未来