やわらかく夜は
望月 ゆき

やわらかく夜は
わたしと明日のあいだを流れてゆきます


あなたは
向かいあう見知らぬひと、や
すれちがうたいせつなひと、や
ほんの1ミリのすきまでとなりにいる
わたし、

ふいに消え去ってしまったときに
ただ、ひたすらに
ねむってすごすようなひとでした


やわらかく夜は
わたしと明日のあいだを流れてゆきます


わたしは、といえば
なんにも見えないすきまに
ときどき、
チラリと視線をむけては
そのたびに
笑ってしまって、困ります


笑うことしかできなくなって
わたしは
夜のまにまに、
同時になにかを
うしろ手に落としながら
明日につづいている
であろう道を
歩いています



自由詩 やわらかく夜は Copyright 望月 ゆき 2005-02-03 01:24:39
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