聖誕祭の朝
Loch Lomond
鳶色の花が部屋に
投げ込まれた朝
夜から立ちこめていた
幾層もの霧が晴れ
テーブルに置かれた
皿やコップの上に
日の光が溢れて流れた
音楽はコップに溢れる水の音か
それとも皿やナイフのぶつかる音か
水の重さは部屋の隅にある
花の重さに等しく
皿やナイフの重さは
風の風圧に等しい
幾層ものオーガンジーのカーテンが
透明な層雲をなし
部屋に垂れ込めた
鉄の鋳型で造られる
皿やコップは無音のまま
奇数を追い続けている
遠くの潮騒で人の目覚める
海辺の朝
ここは
地中海の廃港か
それとも
バルト海の漁港か
草原を疾走する
清流を追い
湾曲する稲妻を帆にはらみ
長い航海から帰ってきた船が
窓の外にある