聖誕祭の朝
Loch Lomond

鳶色の花が部屋に
投げ込まれた朝

夜から立ちこめていた
幾層もの霧が晴れ

テーブルに置かれた
皿やコップの上に
日の光が溢れて流れた

音楽はコップに溢れる水の音か
それとも皿やナイフのぶつかる音か

水の重さは部屋の隅にある
花の重さに等しく

皿やナイフの重さは
風の風圧に等しい

幾層ものオーガンジーのカーテンが
透明な層雲をなし
部屋に垂れ込めた

鉄の鋳型で造られる
皿やコップは無音のまま
奇数を追い続けている

遠くの潮騒で人の目覚める
海辺の朝

ここは
地中海の廃港か
それとも
バルト海の漁港か

草原を疾走する
清流を追い
湾曲する稲妻を帆にはらみ

長い航海から帰ってきた船が
窓の外にある


自由詩 聖誕祭の朝 Copyright Loch Lomond 2014-12-19 02:10:28
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