君を食べる
opus

「間違いない。
あの人は寂しかった。
愛してくれるどころか、
誰も構ってくれる人なんていなくて
一人ぼっちだったのよ」

グレイシアは
ボブカットの
白髪の髪の毛を
右手で撫でながら
そう言う
レイバンのサングラスをかけ
黒いドレスを着ていて
マルボロをくわえ
息を吸う
彼女の唇は
薄いが
赤々とした口紅を塗り
色の白さと合間って
欲情を刺激する

ふーっ
と息を吐く
煙が漂う
サングラスを外し
青い瞳で此方を見つめる

「だから、
食べたの」

睡眠薬で眠らせ、
うつ伏せにし、
首を締める

そして、
鉈で、
胴体と腕、首、足に分け、
皮膚を裂き、
筋肉の繋ぎ合わせの隙間をぬって
各部分に分け、
骨と肉を分けた

「骨からダシをとり、
肉はミンチにしたり、
そのまま食べたり、
つみれにしたり。
あ、あと脳みそは
生で食べてみたけど、
臭かったから、
茹でて食べたの。」

目は見開かれ
頬が紅潮し
歯をむき出して
時々、
唾が飛ぶ

僕はギンギンに勃起していて
彼女にポケットに入っていた
ナイフと銃をさしだして

手をかざして触れると
肌と肌があって
肉と肉があって
血と血があって
骨と骨がある
どこまでいっても
君と僕で
何だったんだけど、
僕は
そのまま
肌と肉と血と骨になって
黒いポリ袋に詰められて
捨てられてしまって
つまりは
最高の絶頂に達した




散文(批評随筆小説等) 君を食べる Copyright opus 2014-12-13 17:16:40
notebook Home 戻る