異国の鳥
ただのみきや

あなたの瞳 異国の鳥よ
陽炎の向こう遥か遠く
倒れた女の首飾り
散らばるビーズ夢の欠片
神なき宇宙の茫漠に
見えない糸で星座を編んで

あなたの声 異国の鳥よ
風の螺旋を辿りながら
まだ見ぬ誰かを呼んでいる
人の耳には聞こえない
未満の言葉の周波数
天地垂直に切り裂いて

あなたの爪 異国の鳥よ
熱砂波打つ人の群れ
孤独と毒を好んでは
サソリや蛇と絡み合う
口の端から漏れている
甘さと苦さ蠢くしっぽ


     《異国の鳥:2014年12月3日》






自由詩 異国の鳥 Copyright ただのみきや 2014-12-06 20:20:49
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