恋
吉岡ペペロ
恋とは山と海が交わったようなものだ
秋づいた山肌が涼やかなマイナスイオンを発していた
それが文明に轢かれ血を吐いて死んでいた
山肌に海の青が染みていた
山と海とが交わっていた!
静かで固くて動かない、光にはただ輝く、その死体
予備校への自転車の道すがら
その死体にぼくは出会った
ドキッとして緊急停車して振り返った
血を吐いて死んだ山が海と交わっていた
朝日がそれに反射してぼくは恋を思った
恋とは山と海が交わったようなものだ、と
自由詩
恋
Copyright
吉岡ペペロ
2014-11-21 15:18:33