その壱


１（1）……大きな段ボール紙を用意する

（2）……段ボール紙を壁に立て掛ける
壁に立て掛けたら絵の具を用意する

（3）絵の具を取り出したらまずその上を黒で適当に塗りつぶしてみる

（4）黒色に塗りつぶしたら中心を決めよう
そして中心が決まったら少しだけそこを拭き取るのです

（5）
次に絵の具が乾いたら黒色からはみ出るように青で空を描く

（6）青色で空を描いたら緑色を足して海を描いてみよう

（7）記憶が乾かないうちに赤と緑を少しだけ混ぜできたての岩を盛る

（8）絵の具が完全に乾くのをあなたは二日間だけ待たなければならない

（9）最後に白を取り出してその上から適当に塗りつぶしてみる
できるだけ大地が浮かび上がるように
薄く薄く 薄く
念じるように塗りつぶさないといけない

（10）仕上げは描き上げた段ボール紙を眺めて

※ どのようにするかであなたの死が決まります 。
（空と海と大地
）馬鹿馬鹿しいと鼻で笑っているのですね
これを読んでいるあなたは死を忘れているのでしょう
あなたのまわりには死がありふれています
真剣に読む必要などありません
既にあなたも死界で生きているのかも知れない
死をときどき思い出してみてください
美しく死を迎えたいならば
美しく眠る準備をしなければならないのです 。