南小路又五郎「つまらないってこと」
花形新次

子供の頃
よく友達を笑わせた
僕が何か口にすると
周りはいつも笑いに包まれた
僕は笑いの天才だ
欽ちゃんかチャップリンの再来だ
と思った
今考えると欽ちゃんもチャップリンも
クソほどつまらないのに

中学生になって
隣の席の山口さんが
教えてくれた
南小路くんは
顔が砂漠みたいで面白いの
でもね、言ってることは
出来の悪い笑点の大喜利みたいで
全然面白くないわ

その時僕は
将来きっと
出来の良い笑点の歌丸(絶対にない)になって
山口さんを初め
僕の顔で笑っていた奴等に
復讐するんだと誓った

しかし、、、
今考えると
顔も砂漠も面白くないじゃないか
砂漠みたいな顔って・・・・
ラクダみたいな顔の間違いだろ?ええ!


(南小路又五郎詩集「ひとりよがり声」より)


自由詩 南小路又五郎「つまらないってこと」 Copyright 花形新次 2014-11-13 22:33:15
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