少し良い
ドクダミ五十号

眠れないのは少し良い
電灯も点けず薄暗い
六畳間にカラカラと
回し車の音がするのは

眠れないのは少し良い
苦い過去を吐き戻し
くちゃくちゃと咀嚼
案外甘みもあるのだと

眠れないのは少し良い
窓の外と部屋の明暗
堪らず開いた窓の外
逞しい緑が笑むを観る

眠れない夢か現か幻想を見る
気が付けば二三日経っていて
狼狽える事もある
その間に意識が無かったかと言うと
あると言えばあり
無いと言えば無い
まぜこぜの意識

逸早い入院をと医師が言う
でも私は医師に言う
少し良いですからと


自由詩 少し良い Copyright ドクダミ五十号 2014-11-08 06:28:51
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