薔薇よ
Lucy

薔薇よ
かくも烈しい
おまえの怒りに
一瞬にして触れてしまった
不意をつかれてたじろぐ私の指先の
見えない程小さな
けれど思いのほか深い傷から
みるみる膨れ上がって
指を伝って流れた色に
目を見張る

冬に備えて
枝を剪定してやったのだ
残りの枝を
雪の重みで折れないようにと
縄でぐるぐる巻いてあげた
おまえの刺に触れないように
気をつけていたのに

迂闊な偽善と
恩着せがましい冒涜に
敢然と抵抗する
鮮やかな
鋭いおまえの一撃



自由詩 薔薇よ Copyright Lucy 2014-11-06 19:36:30
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