気まぐれな風は少しおしゃべりが過ぎる
ホロウ・シカエルボク







何の気なしに、ただ、風が吹くように
始めてみようと思った、ただ、それだけさ
書きたいことなんか特にない、むしろそろそろ寝つきたい、となると逆に何かやりたくなるのさ
だからこんな時間に、もう明かりもなくなった部屋の中で、タブレットの文字を叩いている…なぁ、タブレットの文字入力って、何か活版所を連想しないか?こいつ、デジタルのくせして、妙にアナログなにおいがするんだよな…もしかしたらそれは、キーボードを押さないせいなのかもしれないな、この、タップというやつは、どうもそんなおかしみがあるよ
さていま画面最上段の小さな時刻表示を見たところ2:37だった、最近はいつも夜更かしが過ぎてしまう…早く起きる必要がないとどうしてもそういう風になってしまうんだ、直そうって気持ちがないわけでもないんだけどね…それにしてもこの時刻表示、もう少しでかくしちゃくれないものかね?倍くらいになったって俺は少しも困りゃしないぜ…
昨日からパソコンの調子がどうしようもなくて、ああだこうだと弄ってたんだ、まあどうやら解決したっぽいんだけどさ…まったく時間を無駄にした気分だぜ、書き進めたいことだって少しはあったのに…明日からは調子よく動いてくれりゃいいんだけどね…
調子はどうだい?フリーズしちゃいないかい?設定を見直すんだよ、洗いざらい見直してさ…余計な関係は切っちまうのが最良ってもんだ、余計な負荷がかかる前にさ…応答しないプログラムなんか待っていたって仕方がないのさ
調子はどうだい?調子はどうだい?書き替えるだけで快適になれたらこんなに愉快なことはない、無駄なヤツにだって付き合ってやらなきゃいけないことなんてごまんとある、そんな時どんなふうにしてるんだい、いっそのことシステムをぶっ壊してみちゃどうだい?
つまらない話で長ったらしくなる、だけどそんな遊びが楽しくて仕方がない、焦れてたヤツが飛び出してはしゃいでる気がしてさ、だけどそろそろ眠気もやってきた、俺自身の応答が怪しくなってきた、正気のデータが袋小路へ迷い込む前に、始末をつけてスリープにしなくちゃな、おやすみ、おやすみ、たくさんの友達たち、君の快適な眠りを祈ろう、君の素晴らしい明日を祈ろう、俺はもう少し踏ん切りの悪いまどろみを生きるだろう、なんたって今日は設定を弄ってばかりいたからさ…





自由詩 気まぐれな風は少しおしゃべりが過ぎる Copyright ホロウ・シカエルボク 2014-10-28 02:09:06
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