降りかかる闇の前に
Lucy
くろく濡れそぼる屋根屋根に
遠くから投げつけられた
弱い夕やけが跳ね返り
つかの間の晴れ間
雲の一部を茜に彩り
降りてくる薄墨のカーテンに
泣きぬれた瞳のような
ほほえみを彷徨わせ
滲む街灯りを沈め
生きがいなどと言うものは
とっぷりと暮れる一瞬前に
かすかに肩に触れていく
哀しく
美しい思い違い
自由詩
降りかかる闇の前に
Copyright
Lucy
2014-10-27 19:22:15
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