空と大地の間で交信する
ベンジャミン

きれいな空があることを
忘れたくなかった

雨が降るのを
空が落ちてくると言った 僕は
落ちてくる空を見たことはない

びしょ濡れになってもいい
見上げた空がきれいであることを
確かめたかった

大きく見わたそう
降りそそぐ雨が瞳からあふれても
それを涙のように流さない
小さな塵が水蒸気を集めて
こらえきれずに落ち始めるとき
空と大地で交わされる 会話

全身で受け止めて
すっと伸びながら耳をかたむける

背伸びなどしなくても
ここからきれいな空に届くことを
思い出した

手を広げれば
無数のかけらが肌を叩く
一つ一つの刺激が
まるで違う言葉のように

僕の中にしみこんでくる

何もない空とあふれかえった大地の間には
何もないことがあふれている
そこから何かを見つけることを

しきりに語りかけているだけなんだ





未詩・独白 空と大地の間で交信する Copyright ベンジャミン 2005-01-30 20:02:51
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