霊感 I(自然と水銀の調合物についての注意事項※愛が足りない場合)
汰介

――毒に気付かせない様かつ頼り無く感じさせる程優美に――



鏡と鏡

鏡 鏡

あれ?あなたはお仲間?
それともここに映るのは私なの?

演技をする人の間で演技は分からない

演技をしない人の間に演技は存在しない

だってそれは鏡臭い

――それが幽玄のコツなんて事
常識じゃない

――その鏡の臭い取り除いたら

何が残るの?


心配しないでいい

その鏡に
もうこっそり毒を塗っておいたんだ
もう何年も前に

もうその毒があなたは確実に回っているんだね

僕はもろもろの毒を産まれながらに担わされた
毒物取扱者なんだ

僕の所から毒を盗んだ所で
その毒が自分に回るだけさ



自由詩 霊感 I(自然と水銀の調合物についての注意事項※愛が足りない場合) Copyright 汰介 2005-01-29 20:43:12
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