枯葉の歌
藤原絵理子


洋燈が揺れている 心を反映する
「愛しています」 わからなくなった夢
見知らぬ暗い森を 彷徨っていた
遠く微かに 木々の隙間に瞬く 暖かな光


秋の夜に 影をなくした 心へ
何かしっかりしたものに 寄り掛かって 凭れて
泣いたっていいんだよ 優しく甘い歌に
膝を丸めて 子供みたいに安心して と


いつかは 誰もいなくなる
晩秋の高原よりも もっと深く 誰もいなくなる
独りきりで 季節の巡りを 眺めるようになる


夢の果てに 「今」が 消える時に
残すものは 喜ばしい記憶 そのために
自由に もっと自由に しあわせになることを


自由詩 枯葉の歌 Copyright 藤原絵理子 2014-10-05 22:41:55
notebook Home 戻る  過去 未来