ケロイドもわすれて⑩
信天翁

  自律訓練ではない 瞑想でもない
      単に 老化が焦げついて
       (まどろみとは異質な)
  うたたねが悪癖となっただけ の
         おひとりさま だ

   かすかな山彦が波紋をひろげる
      リグレットをにじませて
 こまやかな海鳴りがさざ波をたてる
      カルマ臭をただよわせて

  そうだ やがて あふれるだろう
  ケロイドもわすれて 慚愧の泪が
終着駅のアナウンスを聴かされたとき

あゝ 憐れむべき おひとりさま よ


自由詩 ケロイドもわすれて⑩ Copyright 信天翁 2014-10-05 11:40:55
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