葉leaf




一月
凍った言葉が人々の交わし合うまなざしを鋭く発音した
二月
山はすべての音階に合わせて坂の勾配を調整した
三月
雨は大地の上で生まれ変わり、風は色の名前を覚えはじめた
四月
人々は集団を連鎖させ、集団は複雑な眼から単純な涙を流した
五月
古木は思い出したように来世の蝶になるための成熟をはじめた
六月
美しさが電車と線路の摩擦からさえも滴ってきた
七月
すべての都会たちは一斉にふるさとへの感謝を思い出した
八月
無が孵化して熱になり季節になり太陽になった
九月
自然が忘却したものの淵からくだもののひらめきが生まれた
十月
人々は疲労の隙間に醸成されてくる血の酒を盃に酌んだ
十一月
地球の冷たさと硬さに愛想を尽かさず、月は柔らかく温かい光を注いだ
十二月
人々の思い出が検閲の網の目をくぐり、雪として降り積もった


自由詩Copyright 葉leaf 2014-09-28 17:03:21
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