ハッピーバースデー
かんな
呼吸をしていると
深く息深く呼吸をしていると
シンクロするように
君の鼓動が聞こえてくる
あたたかな
ひどくあたたかな眠りを誘う
愛くるしいメロディのよう
生きることはうたうこと
そういつか伝えよう
奏で始めた感情の旋律の行き先は
誰かのこころだと伝えよう
不器用にうたうこと
それは泣くことと似ていると伝えよう
振動を介して
今繋がっている尊い事実を感じて
君のこころが
いつしか言語化される時が来たら
その清流に身を委ね
上流に漂う命の頷きを受け止めよう
+
充足していく気配の中で
ひとりの子が私という肉体から
勢いよく飛び出した
あたらしい世界へ
おはよう、おはよう。
+
母になるような
チョコチップクッキーを
ゆっくりとかじっていくような
子になるような
カロリーオフキャンディを
ゆっくりと舐めていくような
感じがしている
それでいて
クッキーを食べ尽くしてしまった
ような寂しさも
キャンディを舐めつくしてしまった
ような満足感も
同時に味わうようになる
共に生きて成長していく過程は
安易なことばで表すことは
到底無理なのだけれど
安易な私はついついことばにしてしまう
どんな経験を味わって
どんな感情を得ていくのか
またひとつクッキーをつまむと
サクッ
と音を立てた