天上界のドキュメンタリー番組
天使たちの頂点に立つマリア様がスタッフにあるビデオを見せてくれた。
「これは人間の現世での行いを記録したビデオなの
人間の死語に回収して魂を裁判に掛けるための判断材料として使っているわ
見てもらいたいのは彼女の死の直前の映像よ

被害者は１８歳の女の子
友達に唆されて遅効性の毒入りのカプセルを服用したの
疑り深い彼女は何度も「飲んでも平気なの？」と訪ねたけれど
結局仲間達を信じて服用してしまったの。
買い物に出掛けた彼女に仲間達は電話でこう言ったの。
「人を信じるなんて馬鹿なんだよ！」
そのまま彼女は裏通りで息を引き取ったわ。」
「中々酷い事件ですね。それで、見せたかった映像とはこれですか。」
「その前に紹介が遅れたわね。私の娘のリナとリセリケよ。
貴方達ももう大人になるから渡しておくわ。」
手渡したのは三種類のそれぞれ大きさの違う丸い錠剤だった。
「天使の薬だ！やったわ！ありがとうママ！」
大きな娘達が飛び跳ねるほど喜ぶ天使の薬は天使が一人前の大人になるために必要な物だ。
「これを持ったらスタッフの人達と大事な話があるから部屋に行きなさい。」
娘達が食卓から離れた後マリア様が話を続けた。
「先程の映像を見て気づいたかしら。
被害者の部屋のテーブルに置いてあった薬。
あれは間違いなく天使の薬よ。」