むー
やまうちあつし

団地の片隅で
君と出会って
百ねんぶりの
再会みたいで
なきそうにわらいわらいそうになく!
世の中は不穏
という怪物に
藪にらみされ
ふるえ上がる
そのせいかな
よゆうがない
特にこの夏は
ひどかったよ
夏が蛇のごと
蜷局を巻いて
街を雁字搦め
僕は安っぽい
人形のように
ままごとをし
時間が過ぎる
事を待ったさ
勝手にきみの
せいにしよう
人が素晴しい
おくりものを
するとすれば
それは自分で
気づかぬ間だ
だからお礼も
言えやしない
言ったとしても
気味が悪いだけ
だからかってに
きみのおかげに
してしまおうか
むー
そんなに夕日が
似合うだなんて
異星人みたいだ
むー
そんなにヒトを
信じるだなんて
地底人みたいだ
むー
そんなに幸せに
なりたいなんて
きみは天使だね
むー
そんなに気分が
変わるだなんて
地球人みたいだ
君みたいな者は
ほかにはいない
くじけそうだよ
南極で見られる
ニンゲンなんて
UMAさながら
正体不明のまま
わらいそうになきなきそうにわらう!
どうにか歩いて
たどりつければ
いいのだけれど
近所の林の奥の
ぬまといったら
どうも底がない


自由詩 むー Copyright やまうちあつし 2014-09-17 17:10:34
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