ホテル街
梓ゆい

落胆する声を聞き

見え隠れする感情に

「会いたい。。」の一言を飲み込んだ・・・・。

不確かな勘違いでこみ上げる羞恥心は

臆病者の烙印を押して

時折私を追う両目を見つめながら

ほんの少しだけ

ほんの少しだけ触れるキスをねだる・・・・。

(強引に手を引かれ、早足でさまよう円山町。)

このまま・委ねて良いという返答の変わりに・強く強く・手を握り返した・・・・。

するすると落ちる滴が

血管を通り越して

お互いの体温と混じり合いながら

重ねた唇と呼吸を

肌に刻む・・・・。

(確かめるべきか?黙るべきかを?)を問うて

掌の上で

女になる私の心臓は

血を絞り取られ

肉や骨と共に煮込まれながら

男の口の中へ消えてゆく・・・・。









自由詩 ホテル街 Copyright 梓ゆい 2014-09-14 04:11:53
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