だから僕は時々空を見る
ichirou

砂浜の砂を握りしめ
手を開けば
崩れる砂
崩れた砂を見ると
砂は砂粒と砂粒だった

地球はひとつでも
本当の地球は
個々の人々や生きものたち
一粒一粒の砂粒

この世の中の本当の姿は
点描絵の様に個々の輪郭を持っている隙間だらけの集合体
ものごとを俯瞰して
楽観的に丸めちゃいけない
個々の輪郭を潰しちゃいけない
真面目に厳しく個々を見なければいけない


だけど
本当の姿はそれだけじゃない

たとえば


空は
大らかで
やさしく
なめらかだ

僕には空気の粒の輪郭は見えない

だから僕は時々空を見る
大らかで
やさしく
なめらかな気持ちになるために













自由詩 だから僕は時々空を見る Copyright ichirou 2014-09-07 00:47:51
notebook Home 戻る