4つに切れてる現代詩
左屋百色

郊外上空/

図書館からコンビニまで
君の言葉が消費される
ビルの屋上では詩集が燃やされる
もう、僕は、
自分を疑っているんだ。
響きまくる音、音、音、
あらゆる音が郊外上空を支配する。
胸に刺さった一行が
永遠に抜けない、
この夕暮れは
ひとりで飛ぶには悲しすぎる、


マニュアル座/

指で突かれた目で
マニュアル座を見ていた。
夜空にはそれしかなかったからね。
本当は違う星座を見ていたかった。
できれば
君と、ゆっくり、見ていたかった。
その先にある物語が
どんなに残酷でもね。


超無題/

鉄風が吹いたら
手を止めて
腰を下ろして
休んでください。
好きな歌を
風に乗せてください。
そしてどうか私を憎んでください、
そして毎日死んでください、
そして毎日必ず生きてください、
感情が、街中に、響きますように。
どこにいても
降り注ぐ、題名のない強い感情、
鉄風が吹く度に
どうか詩を書いてください、


無意味な1秒/

好きな人がいなくなったから
枯れそうな花が文学に思えたり
重い雨が青く見えたり
錯覚しなくなった、
ガードレールがへこんでいるけれど
そこに
何の物語も感じないね、ごめんね、
他人の死や言葉が
わたしを1秒ですり抜ける。
今夜だけ。
もはや書けない詩なんて、ないよ。


自由詩 4つに切れてる現代詩 Copyright 左屋百色 2014-09-03 13:37:31
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