きみの言語   
ハァモニィベル

訪ねると いつも
固く冷たい廊下

その奥の
前髪に落ちた陰の 扉を
日差しが そっと開く朝

気配の草叢が かすかに
擦れて、
沈黙が響く

そら ね 
 ごらん
向こうで 霧に濡れている

《小さなアウア》
君は懸命にアウア

あるのは ただ
深く畳み込まれた無限



脳髄の切り立った断崖を
光速の何かが奔りぬけても
知り得ない

《小さなアウア》
君の懸命なアウア

滅ぶことを知らない
繁茂する植物のように
まるで

気まぐれに
飛びまわり
辺りを包み込む

 瞑想の
しゃぼん玉



《小さなアウア》
君は懸命にアウア

僅かに解る
こと

それは
ただ、


ぼくと瞳を合わせたときの

君の、

よろこび よろこび
よろこび よろこび
よろこび よろこび
よろこび よろこび





自由詩 きみの言語    Copyright ハァモニィベル 2014-09-03 07:44:48
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