ぬぎすて
ドクダミ五十号

ゆりはとおくかなしい

まじわりはとおい

うつくしいころも

しろくはえるそれを

すっぽりとすてる

まじわりをしなくても

ちるとはいえないのだ

そう しんは はなは

うつくしさと むえん

すらりと のびて

やがては ふとる

つぼみに にた すがたに

わたしが はねある むしならば

いのちをつなぐ こなにまみれ

てつだいも できるだろうに

うつくしい よそおいは

ちにおちて いまや ちゃいろく くさっている

つまんで てのひらにのせ そっとなでる

かなしさは ゆびからつたい そらにとけて

やがて てんも なみだする

しとしとと さめざめと ぽおつぽおつと ざんざざざと

ねがいはあるのだ ぬぎすてのさきの

もうひとめぐりに また あいたい

それだ



自由詩 ぬぎすて Copyright ドクダミ五十号 2014-09-02 02:38:59
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