inside out
opus

強張る唇
黄色い目
紫色の顔

手を差し出して
その紙をつかみ
そそくさとソコを
後にする

人々の目が光っている
囁き声がザワザワ
床が歪む

まだ殴られた方がいい
痛みが言い訳になる
空が真っ黒に染まる

ベル音、
靴音、
犬の鳴き声、

影が尋ねる
「変わるかい?」
いや、大丈夫
僕がやらなきゃ意味がないんだ
「虚勢張るなよ」

道が続いている
何処までも永遠のように
後ろを振り向くと
そこにも道が続いている
まるで、
永遠であったかのように
目をつぶり、深呼吸
すーはー
すーはー
心を落ち着け
目を開ける

路地裏から
汚い野良猫が此方を見ている
近づくと後ろ足が血だらけなことに気付く
猫は声の無い声を叫ぶ

僕はいいように解釈する
いいように判断する
いいように理解する

列車の車輪が軋む
背中の赤ん坊が泣き叫ぶ
母親が体をふって、あやす

『山河の景色
オルゴールの響き
光のベール
草原にブルーシートを引き
僕の膝で熱いミルクを
猫が飲む』

ザーと
雨が降る
窓ガラスが
僕らを糾弾する


自由詩 inside out Copyright opus 2014-08-18 17:00:08
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