やすらかな不安
はるな


青い本、カーテン、壁。
ゆで卵、液晶、ローラーコースター
交互にする指輪、遠い者同士の接吻
からだを折ると、すこし生きやすい。

思いだすのは、ちいさなこと
泣いたら泣いたぶんだけ体が軽くなったこと、
いつでもすきなだけ空を食べたこと。

からだを折ると、すこし生きやすい。
けれども、伸ばして生きていかなくてはならない
うす暗い夜をしのばせて、嘆きをみつめて
豪華なテープを切ったあとで、
さらにもう一周、生をかみしめる必要がある。




自由詩 やすらかな不安 Copyright はるな 2014-07-29 09:51:41
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