青空の起源
やまうちあつし

一羽の鳥が
世界の果てを見に行った
そして
泣きながら帰ってきた

飼い主は訳を尋ねたが
何も言わなかった
いや
言えなかったのだ

そのかわり
鳥の羽毛は青く変わっていた
日に日に鮮やかさを増していった

飼い主や友人たちは
それを見ているだけで
幸せな気分になれた

けれど鳥の嘆きはますます深く
毎日泣きながら暮らしていた

ある時
鳥の青さと悲しみは限界に達し
とうとう溶け出した

見ていた人々は
危惧したが

鳥はそのまま
空へ広がり
青空になった

その下に
村ができていた


自由詩 青空の起源 Copyright やまうちあつし 2014-07-29 08:45:52
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