他人の右目
為平 澪

誰かの右目が 痛むとき
私の左目が 赤くなる
誰かが右手を 怪我したら
私の左手を添えて
包帯を巻いてあげたい
あなたが背中を向けたなら
リュックの理由を
分かち合い
荷物を軽くしてあげたい

あなたが 今夜寝れないなら
少しくらいは 付き合って
お酒で少し酔っ払い
二人裸の話してみたい

空き地になってしまった家のこと
理不尽だけど 良い人のことや
地平線の向こう側に
お日様を拾いにいく 相談や
夜明け前に 哀しく旅立った
友の最期のコトバを
教えてほしい

私は知りたい
知らない人が隠してた
本気で語る 本音のコトバ

窓に光が 射したなら
私は歌う
出会った人への接続詞

そんな詩が
かける 私が私だと

信じたくて
信じていたくて

つないでみたい
他人の右目と
私の左目


自由詩 他人の右目 Copyright 為平 澪 2014-07-27 09:33:01
notebook Home 戻る  過去 未来