ゼリー色の夏
るるりら



葡萄色のゼリーのような海と空は
きっと絵のように美しい 
いいえ きっと海の ほんとうは 絵なんかでは 表わせない
憶万の色と光と影を 海と空は もっているのだろうから

けれど わたしを しあわせにするのは おおきな海と空ではないの
両手に収まる 小さく器に盛られた水平は 芸術そのもの
スプーンを そっと そのやさしみに触れた最初のひとすくいが
わたしを しあわせにするの

わたしのためだけに用意された ひとすくいのつめたい ひかり
夏へのすべての怒りが ほどけてゆく
私をほんとうに しあわせにするのは 無限なものではないの



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祝 即興ゴルコンダ(仮)を復活してくださいました。
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自由詩 ゼリー色の夏 Copyright るるりら 2014-07-26 14:39:10縦
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