手
梅昆布茶
きみの手を想う
華奢でちょっと小さめだった
骨折して松山の病院へいっしょに行ったときも
きみの身体の一部が壊れたことに
かなしみを覚えていた
きみの替わりに朝
新聞配達をやった
それは些細な苦労だった
ほんのつかのまのちいさな労力だ
それなのにしんどいと思い始めた自分
何年経ても
ときに会社の設計室でトレースをし
なにくれとなく子供達の世話をしたり
きみの手はよくはたらいたとおもう
僕の手は無骨だ
神経がかよっていないかと思われるほど
丈夫だけれども
うまくこころを伝えられない厄介者だ
もういちど手を繋げるとは思っていないが
子供の結婚式にでもであえたら
そんな僕の手にもこころが通い始めたかもしれないと
きみに伝えたいと思っている