バラバラ死体
為平 澪

私のバラバラ死体が
見つかった

右腕は質屋に
売り飛ばされて
父の腕時計をしていた

切断された下半身の両脚は
駅で発見された
見つかるのが遅かったらしく
腐乱したまま
母のサンダルを履いていた

胴体は部屋のベッドで
頭の帰りを
期待していたが
私の両目が脚と腕を
捜そうとしたのか 
見開いたまま
仏壇に供えられていた

服には「家」とかかれていて
どうやら くり貫かれた
心臓の家出届をだしていた

捜索願をだした 屋敷には
九十九神たちが
淋しいと 泣いて
待ってるらしい




自由詩 バラバラ死体 Copyright 為平 澪 2014-07-16 22:52:58
notebook Home 戻る  過去 未来