自己満野郎

 僕はいつも微笑んでいる。人の話は頷きながら聞く。だけどさ。心ん中では何を抱いているか分かったもんじゃない。
 そこの不眠症のおばちゃん、寝れないんじゃなくて寝たくないんでしょ?鬱で寝れないという理由で精神病院に入院して、ちょっと悲劇のヒロインぶってるでしょ?薬がきついから朝まで残ると言いながら寝つきが悪いからどうにかしろだとか、そりゃ毎晩、寝よう!って力んでりゃ寝れないよ。ちょっと落ち着いて自分を見てみなよ。
 英会話教室で出会った一つ年上の男。僕が何のために英会話を勉強してるのかと聞いたら「就職に活かそうと思って」とキラキラした瞳で答えたよ。親の金で英会話教室に通い、親の飯食らって、自分はフリーターですか?挨拶と自己紹介程度の英語力でどんな仕事に就くおつもりで?まず、就職活動することをすすめちゃうね。
 「下品な人は嫌いよ」と言ったばあさん。自分が一番下品だってことを知るべきだね。上品な人は他人に下品だなんて言わないよ。
 勝ち組、負け組、どうだっていいじゃん。そんなこと言ってるうちは負け組なんだからさ。職業や収入で人間の格を決められちゃ堪んねぇよ。
 いつも微笑みながら、心ん中では最低なことを思ってる。こんな僕はずるい人間だ。若年にして醒め過ぎてるし、他人と争うのが面倒って理由で思ってることは黙ってる。いつも自分の利得しか考えず、マイペースで生きている。嫌がらせされても気づいてないフリしてるから僕は天然だなんて思ってる人も少なくないけど、仕返しなんて自分の手を汚すようなことはしたくないだけ。喧嘩両成敗って言うじゃん?傍から見たら「どっちもどっちさ」ってもんさ。そんなことで自分のレベル下げるなんてごめんだから、ひたすら気づいてないフリ。
 ホントずるいよね、僕って。はっきり言って、僕が一番卑しい人間さ。でも、そんな自分が結構好き。自己満足だけに命を懸ける自分が好きさ。


散文(批評随筆小説等) 自己満野郎 Copyright  2005-01-24 08:43:27
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