黒い手帳
塔野夏子
第二十三号の地球が
悲しみの瞳を見せている
太陽の中の蒼だけが
灼けつくように孤塔をふちどる
啓示を失った永遠の
――それは羽搏きか痙攣か
見者たちは黒い手帳に
ひたすらの沈黙を記しつづける
自由詩
黒い手帳
Copyright
塔野夏子
2014-07-01 21:26:38