言葉と雨
草野春心



  ここ数日、
  缶詰という語がシャツにへばりついている
  剥がそうとしても洗い落とそうとしても出来ず
  雨の多い日々を缶詰という語とともに過ごしている
  あなたの住む町では梅の花が散り紫陽花が咲き始めたという
  あなたの読む本の頁に染み込んでいく雨の匂いに私はなりたいのだが




自由詩 言葉と雨 Copyright 草野春心 2014-06-14 21:21:12
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