鼠たちの声
草野春心



  ともあれ私のなかに
  これだけの鼠がいるのだから
  とうぜんあなたのなかにも棲んでいるはず
  血液の湿り気を好みはらわたの肉を噛みつつ
  身体の常夜とこよを這い時に夢のない眠りをねむる
  かれらの声なき声をあなたも聞くがいい
  あなたはあなたのふりをしているが
  本当はかれらなのだから




自由詩 鼠たちの声 Copyright 草野春心 2014-06-08 22:35:23
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短詩集