スリッパ
草野春心



  磨かれた床に映りこむ
  月が清潔すぎるからと言って
  あなたはスリッパを履いたのだ
  けれどもいつもと変わらぬそぶりで
  私を抱きしめてくれますか
  どうか抱きしめていてくれますか
  とじた眼に押し込めた闇の
  ほうぼうできらめくなにかのしるしが
  聞かされ慣れた言葉たちにその姿を変えるまで




自由詩 スリッパ Copyright 草野春心 2014-06-08 21:15:20
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春心恋歌