風
中村 くらげ
駅のホームには真夏が居座っていて
人々は影を求めて黄色い線のさらに内側に行儀良く並んでいる
「貨物列車が通過します」
たくさんのコンテナを載せた電車は
風を引き連れて
轟音の後を追いかける
線路を外れた突風が
私の髪を乱す時
隣の人がくすりと笑った
自由詩
風
Copyright
中村 くらげ
2014-06-08 16:08:49