丘の街で
信天翁

雪雲の奥から 聞いたことが
在るような ないような
古い半鐘に似たエコーが冷たく漏れて
丘の家並みを隈なく履いている

老残がしがみついている
独り暮らしの感知 感触 感性
それは それは シンプルそのもの
(内実は蜘蛛の糸にからまっているのに)
あゝ あのにびいろじみた残響は─
平均余命までつづくのだろうか



(2014/02/01)


       


自由詩 丘の街で Copyright 信天翁 2014-06-06 19:54:54
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