買い物
アンドリュウ

才能が切れたので
買いに行った
いつもより高いのを
手にとって見てると
店主が苦笑いする
背伸びはよしな
いつものを買って帰る

その日の夜 
ボクが偽物と見破った人たちが
たいまつを手に手に押し寄せてくる
回覧板を持っていくふりをして
どうにか逃げのびる

あれから何年経ったんだろう
相変わらずボクは偽物で
安い才能を買ってきては
どうにかその場を凌いでいる

そのうちボクはなるかもしれない
何にって
決まってるだろ
偽物の本物にさ
あれ本物の偽物だったかな

そんな事はどうでもいい
そろそろ戸棚の才能がなくなるな
また買わなくちゃな


自由詩  買い物 Copyright アンドリュウ 2014-05-31 18:21:10
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