(メビウス【前レスの無茶ぶりタイトルで書いてく詩】
http://mb2.jp/_aria/840.html#S65 にて、蛾兆さん無茶ぶりの(難)題名で書いた詩。)
「キリン座とフランス座」
そのひっそりとした輝きに
人は気づかないから・・・
あまり知られていない
あの広々とした大きさに
人は気づかないから・・・
想像もせず見過ごされがち
いつも見えていても・・・
人は気づかないから・・・
き…………りん… … … …… ・・座
神話もない キリン座
淡い星を結んだきりん座
御者座と小熊座の間に位置しています
1等星のカペラと、
最輝の恒星ポラリス〔北極星〕のあいだで
見つけられるといいます
昏くて目立たない でも 大きい星座 キリン座
らくだ座だったかも知れない きりん座
近くには、IC342という渦巻銀河が輝いている
* * *
平安時代の説話集 『故事談』 によると、寛仁元年というから今から千年程むかしだが、その頃はもう朝廷を辞して尼になっていた清少納言は、兄の清原致信(きよはらのむねのぶ)の屋敷に身を寄せていた。その年三月のことであった。あろうことか兄の政敵・源頼光が屋敷に暗殺者を送り込んできた。一家を斬殺した暗殺者達に、男と勘違いされた清少納言も殺されそうになる。そこで、自らアソコを丸出しにして、女であることを証かして窮地を切り抜けた、という。
開業昭和26年というから今から千年ほどむかしだが、
東洋館では
見せる者は目立つところに立ち
大勢の見たい者たちが集った
荷風も集まった
浅草フランス座であり
フランス座東洋館であり
ビートたけしや井上ひさしが
ストリップをしてたわけじゃなくて
爆笑コントも売りにした
演芸場でもあった
ダブルやトリプルの話は知らない僕も
ここから出たスターは皆名前だけは知ってるはず
キリン座に恒星はないが、
ふらんす座からはスターが溢れた
* * *
ある記事によると、
1961年10月18日から
12月4日まで
MoMA/ニューヨーク近代美術館 では
<マティスの個展>
が開かれていた。
12月3日夕方。ジェネベルブ・ハバートは気づいた。
この展覧会の一点 『舟』が、逆さまであることに。
それまでに、延べ11万6千人もの入場者がありながら
誰も全く気付かず・・・
しかも発見されたのが展覧会最終日前日・・・
たった1日しか正しく展示されていなかった。
47日間逆さに飾られていた、「芸術」。
そのひっそりとした輝きに
人は気づかないから・・・
いつも見えていても・・・
人は気づかないから・・・
近くには、IC342という渦巻銀河が輝いている
きりん座よりも
フランス座になりたい