子捨て山
吉岡ペペロ



貧しくて

口減らしのために子が親を捨てにゆく話があった

大金持ちで

お金を使う時間が欲しくて親が子を・・・・

お金があれば

それを使うことで人生を豊かにしようとするひとがいても

なんの異論もない


スイスの寄宿学校を視察した

広大な森のなかにそれはあった

8歳から18歳までの少年少女400人が

そこに暮らしそこで学生生活を送っていた

先生は100人

ひとりの先生が4人の生徒の面倒を見る計算だ

授業料と寄宿代で年間800万くらいかかるそうだ

たいへんなことも沢山あるだろうけれど、こんなところで学べる君たちは恵まれているなあ、

そんなことを思いながら教室を巡っていた

授業で絵を描いている子供たちがいた

じゆうな雰囲気で机に向かっている

子供たちの絵はどれも病んでいた

細長いカラフルな線だけで描かれたなにか

細密に描かれた舌をだした骸骨

その教室をあとにしてから

学校を見つめるカメラアイがかわってしまった

少年少女たちは大金持ちのご子息さまたちだ

親が生活を切り詰めて行けるような学校ではない

親は有り余るお金を持っているのだ

あなたはね、こんないいところで学生生活を送れるのよ、しあわせよね、

うん、ありがとう・・・・


貧しくて

口減らしのために子が親を捨てにゆく話があった

大金持ちで

お金を使う時間が欲しくて親が子を・・・・

お金があれば

それを使うことで人生を豊かにしようとするひとがいても

なんの異論もない


携帯写真+詩 子捨て山 Copyright 吉岡ペペロ 2014-05-25 09:34:02
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