カワウソ
草野春心



  右へ行ったカワウソは
  けさ、左から帰ってきた
  蘭の花が 腕の真ん中あたりで咲いていて
  よく考えたら ゆうべきみがそこを強く吸ったのだった
  部屋のあちこちに敷き詰められた透明な空き箱 
  部屋のあちこちに敷き詰められた透明な空き箱
  朝の何処に出られるだろう そのうちのひとつを開けたら
  どのあたりに出るだろう この重苦しい朝のなかの




自由詩 カワウソ Copyright 草野春心 2014-05-21 11:40:31
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短詩集