空の下に独り
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どこまでも続く空、軽やかに踊る風
今、遠い空の下で鳴り響く
一つの幸せを告げるるチャペル

あの日あの時同じような空の下で
小さな幸せをくれた君は
今、純白を身にまとい
大きな幸せを手に入れる

踊る風はこの声を乗せてくれるのか。
今、満面の笑顔であろう君に
「おめでとう」とつぶやいてみる

清らかで澄み切った青い空の下
あの日笑顔を向けてくれた君は
今、たくさんの笑顔に見守られ
さらなる幸せの道を歩み出す


手を伸ばせば届くかもしれな遠い空の下で
ただただ願う。君の幸せ。
あの時少しだけ分け合った幸せを胸に
僕は背を向け、一人で歩き出す。

もう声は届かない遠い空の下で
一人想う「僕を忘れてね…」
あなたの中に僕がいるはずはないけど
そうすれば、心おきなく歩けるから。


秋風が記憶を呼び覚ました。あれから幾月が経ったのか。
そういえば、新緑豊かな季節に聞いた君の朗報に、
何故か僕は胸をなで下ろし、自分事のように喜んだ。


気がつけば空は茜色、温かな夕焼け
今、近くて遠い空の繰り広げられる
幸せを彩る二重奏

あの日あの時二人で見た夕焼けも
同じように耀いてたと思う・・。
陽が落ちて月が顔が出す頃には
街のネオンが君達を彩る。

夜風はこの声を運んでくれるのか?。
今、人生で一番耀いている君に
「ありがとう…。」とつぶやく

あの日あの時過ごした記憶
僕の中ではいまだ燻り続け
彩かな空が闇色に変わる時
僕も静かに心を闇へと移す。

手を伸ばせば届くかもしれな遠い空の下で
ただただ願う。君の幸せ。
あの時分け合った幸せのカケラ
僕は聖なる夜の空に捧げた。

もう声は届かない遠い空の下にいる
愛しい君へ「サヨウナラ。お幸せに。」
もうはき出すことのない想いを胸に秘め、
空に背を向けて歩き出す。
ただ一人静かに、歩き出す…。


自由詩 空の下に独り Copyright PIN 2014-05-17 13:50:16
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