深水遊脚



さじで湯をはじいて散らす 珈琲香 ゆで卵の白身を刻む音


万年筆への熱量ともにするふりで近付いたひと 見抜けなかった


晴れのち雨 すがりつく昔の歌を上書きし終えた土の匂い


空豆をミルクでのばし バケットを噛み切る香 延長戦に


痛みを許す契約 条件を守れず口にする愛の軽さ


短歌Copyright 深水遊脚 2014-05-16 23:33:38
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コーヒー・アンソロジー