じぶんのポケットにしまうことにした
天野茂典
金曜日がおわった
一週間が長い
精神病を患ったからか
初老の痛みか
『詩は青春の文学である』
と関根弘はいったが
詩はだから宇宙のように
果てへ去りつつあるのか
ぼくからは自分がみえない
いっそ燃やしてしまおうか
ぼくのなかの詩の繭を
もうがたがたで
紡ぎ方もわからないのだから
絹糸を吐き出せないのだから
草臥れてしまった
ブルーノート
60年代のJAZZよ
まぶしかったあなた
草のように階段にもたれかかって
ほろ酔い加減のダルよ
告白はしなかったけれど
愛していたよぼくは
ふられるのがこわかった
こんなにも降り積もってしまった
疲労と倦怠
汚いよぼくは
もうそれ以上寄ってきてはいけない
きょうの午後16:03分に見た月は
SFぽかった
アームストロング船長は反射板を置いてきたそうだ
花鳥風月
1月21日の金曜日ぼくの青い告白は
自分のポケットにしまうことにした
2005・01・21