もくれん
そらの珊瑚

もくれんの
白いたまごが
割れると
たちどころに
小鳥が生まれ
空にむかって
さえずりをはじめる
風が吹けば
はばたく真似事もする
翼は
永遠に無垢なまま
飛び立つことをしないまま

春に
ついらくする

もくれんの
下を歩くとき
私はとても注意深く見上げる
うっかり
ついらくが命中すれば
頭のてっぺんから
春の憂いを
かぶってしまうだろうから


自由詩 もくれん Copyright そらの珊瑚 2014-05-01 10:02:19
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