ボロボロ
ハァモニィベル

局所的に覚醒がくり返されるボロボロ
愛されたがる女の計算したがって聞かない
塗り潰した美の奥底で
折詰にされ、お土産になった溜息が泡立っていた

残虐は過去と未来との境界を袋とじしたまま
突き破る汽笛が誰も見たことのない処女のように
遥か水平線の彼方へ どこまでも逃げてゆくようだ

 /青白い地球の上を・・・

「たとえ、千年の刻のむこう側まで追いつづけても

  廻りつづけるしかない」

拒否した世界の重さ。


枠の中では、十秒が永遠
忘れ去るための儀式に、旅人が奏でた嗚咽も永遠

  ――誰もが見つめる、誰も見ていない残酷が木霊したとき

右の耳が聴いたのか、
左の耳が聴いたのか、
   ――恐らくは誰も、わからない。


英国式迷路で構成された脳髄の景色の中では、
嗅ぎつけて漂いはじめた埃で喉をやられた聖歌隊が
降りつもる苦い砂の呵責を踏みつけて行進を続ける。


何の変哲もない孤独が、寂しがり屋のマネキンと共に乗った
停車し続ける列車。
行き先の印字が掻き消えて見えない
皺苦茶の切符、ただそれだけを握りしめたボロボロ







自由詩 ボロボロ Copyright ハァモニィベル 2014-04-10 16:18:10
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